なんと!有名なプライベートコースばかりですね。うらやましい限りです。昔からの伝統が今も残るどちらかといえばお硬いゴルフコースでも、カレッジゴルファーには開放するわけですね。
そうですね。最高の環境です。
そんな素晴らしい環境で、どういった練習をしているのでしょうか?
コースでは、18ホールをただ漠然と回るのではなく、個々の強化したい部分を集中的に練習します。例えば、アプローチを強化したい選手は、100ヤード以内で練習、バンカーを強化したい選手は、各ホールのバンカーから何打も打ちます。実際のコースでこういった練習を重ねることで、苦手意識のあるショットに対し自信を付けていくことができるのです。
なるほど。実践で弱点を拭う練習が出来るのはいいですね。ところで、コーチの醍醐味といったらなんですか?
そうですね。「かもしれない」と思える瞬間がとても多いことです。勝てるかもしれない、優勝できるかもしれない、ここで一発イーグルパットがきまるかもしれない。選手が何をしでかしてくれるのか、可能性に対しワクワクすることがたまらなく楽しいですね。
逆に大変だなあと感じることはなんでしょう。
自分の時間をマネージすることかな。ヘッドコーチとしてしなくてはいけないことが山積みです。でも、選手は自分を頼っているし、よりよいプレーヤーになりたいと本気で思っているわけで、彼らのために集中して協力することが私の仕事の第一優先なので、それ以外の仕事との両立が大変ですね。
それから、4年間というのは長いようで短いんです。この間に彼らにしてあげられることは限られている。ゴルフのスキルアップだけでなく、将来社会に出たときにちゃんと自分の足で生きていけるように育てること、これが最も大きな課題ですね。
家族と過ごす時間はあるのですか?
ここはとにかく車社会だから、車にいる時間がもっと少なければ、もっと家族と一緒にいられるのにって思いますよ。家に帰ったら家族のことを考え、大学に来たら選手のことを考えるという風にして、家族との時間も大事にしています。時には、バレンシアにある自宅で、家族とチームと一緒にバーベキューなどしていますよ。
チームが一緒に過ごす時間が多いのでしょう。
そう、喜びも悲しみもチームで分かち合います。彼らは同じアパートに住んでいますし、とても仲がいいです。皆が同じ目標に向かって進んでいるわけだから、チームメイトに何かあればすぐに誰かが力となっています。
ところで、日本のゴルフ選手について、何か知っていることはありますか?
何人かPGAツアーで戦っているのは知っているけど、ジュニアゴルファーについては聞きませんね。とにかく韓国の選手が多くて、彼らは家族で移住していますよね。ゴルフだけではなく教育も目的のようです。
ジュニアトーナメントで日本人選手を見ることができないので、どうしてもチームに入れるかどうかの判断が出来ないのが難点ですね。韓国のケースがモデルになって、日本人選手も増えることを期待したいですね。
やはり、日本の戦績だけでは入部は厳しい?
そうですね、履歴書に日本で優勝した試合を列挙してあっても、実際に試合でのゴルフを見ないと決められません。
リクルートのためにAJGAの試合を見に行きますか?
とてもよく行きますよ。やっぱりあの完璧な組織がいいですね。試合会場が州外になっても、アメリカ全土、試合のやり方は皆一緒です。すべてのことが一貫して行われているので、見るほうとしてもとてもわかりやすいツアーです。レベルも高いし、コース選択もいい。
レベルは本当に高いですね。
たいてい、AJGAで良い成績を収めた選手は、大学でも良い成績を収めます。そして、大学で優秀な選手は、プロの世界にいってもトップにいます。
TEE UP Junior Challengeではお見かけしませんでしたが・・・。
あの時はジュニアゴルフキャンプがあって、行けませんでした。ところで、こちらから質問ですが、タイトルスポンサーになった目的はなんですか?
日本から招待選手をよんで、アメリカでの試合経験を積んで、グローバルな選手になってもらうことが目的で、スポンサーをはじめたんです。
それは素晴らしい試みですね。とても必要なことです。来年は行きます!
はい、ぜひ来てください。
ところで、コーチはこれからのプロツアーに何を期待していますか?またタイガーのようなつわものが登場すると思いますか?
30年前、ジャック・ニクラウスに匹敵するもしくはそれを越えるプレーヤーはいないと言われていましたが、タイガー・ウッズが登場しましたね。いつになるのかはわかりませんが、また彼らのような飛び抜けたプレーヤーが出てくるでしょうね。
どうやったらあんなプレーヤーになれるのでしょう。
彼らを目指すのであれば、人生そのものをゴルフ漬けにしないといけません。タイガーのように、衣食住、アクティビティ、家族、環境、すべてをゴルフ上達のために仕向けないといけません。やることなすこと全てがゴルフのためになります。
我々コーチは、タイガー・ウッズよりもいい選手を育てることが使命ですよ。タイガーを越えたいなら、タイガーがやってきたこと以上のことをしなければなりません。それがどれだけ大変なことか、わかるでしょう。
タイガーって、本質的に他の選手と違うと思うんです。一番違うところって何だとお考えですか?
他の選手と違うところは、「絶対に勝つ!」という意思の強さだと思います。この勝ちたいという意思が他の誰よりも強いのです。これは、練習して培えるものではない。人間の内側に秘めているものですね。
他の選手は、その違いに気がついているのでしょうか?
そう思いますね。やっぱりタイガーと一緒に回る選手は調子を崩しやすい気がします。彼の勝ちたいという強い意志がかもし出す、気迫に負けてしまうのでしょう。ギャラリーも、カメラマンも一番多くタイガーの組にいるわけで、一緒に回る選手はよほどの集中力がないと本来の力が発揮できないでしょうね。
さて、コーチが考える最も重要なクラブとは何ですか?
なんと言ってもパターです。いくらショットが良くても、パーオンしても、パターが入るか入らないかでスコアが大きく変わってきます。シングルプレーヤーになれば、1パットの重みに気がついているはずです。パターはしっかり習得しないといけませんね。

では、最後にチームとしてのゴールを教えてください。
私のチームの目標は、どの選手も毎日日増しに成長することです。試合に勝つことが目標なのは、当たり前でス。それよりも、週の初めより週末の方が良くなった、月初めより月末の方が良くなった、年始より年末の方が良くなったと、成長を自分で実感できること、これが一番重要です。すると、結果は後からついてきます。そして、私はコーチとして、選手の日々の成長を見守ってあげることが任務だと思っています。
UCLAのチームを影ながら応援しています。これからも素晴らしいゴルファーを育ててください。今日はありがとうございました。