DEREK FREEMAN

デレック・フリーマン
Derek Freeman

今年7月、9月より全米ジュニアランキング
1位の座に君臨していたフィリップ・フランシス
選手が入部するUCLA(カリフォルニア州立大学・ロサンゼルス校)の男子ゴルフチームの
ヘッドコーチに熱い男が就任した。
ツアープロの経験を持ち、
ファイナンシャルプランナーでもあった、
ユニークな遍歴をもつデリック・フリーマンだ。
果たして大学ゴルフ部のコーチの役割とは?
ひたすら真っ直ぐにチームと向き合う
フリーマンに迫る。

初めまして!コーチ。まずは、コーチ自身のことについてお聞きします。
オクラホマで生まれ育ち、オクラホマ大学のゴルフ部に所属していました。当時、全米でトップ5に入るチームで強かったんですよ。卒業後、プロに転向して、今のネーションワイドツアー、メキシカンツアー、カナディアンツアーと回っていましたが、肋骨を骨折してしまい、1年間ゴルフから遠ざかってしまいました。その後USB社のファイナンシャルアドバイザーになり、色々なことを学びました。お金の流れ、世界の流通、対人コミュニケーションなど。この会社に3年間勤務しました。

でも、ゴルフの世界にどうしても戻りたい気持ちと、コーチングをやって見たいという気持ちがとても強くなり、1年半かけて仕事の整理をして、オクラホマ私立大学のボランティアコーチになりました。
それは自分のためであったので、1年間報酬なしでやったんです。

え!?1年間無収入ですか??
そう。1年間ノーインカム。でも大学には感謝していますよ。あの時経験が今活かされているわけですから。その後、2年間女子チームのヘッドコーチを務めました。今度は報酬もらってね。2年目に、チームがナショナルチャンピオンシップで40年ぶりに優勝して、最優秀コーチ賞をもらったんです。

今は男子チームのコーチですが、女子チームとは違いますか?
全然違いますね。女子は良くしゃべるし、表現が豊かですから、すごく楽しかったです。男子はクールだからね。その実績を買われ、オクラホマ大学の男子チームに呼ばれて、コーチになりました。当時、PGAツアーで活躍しているアンソニー・キムがメンバーにいました。ビッグ12チャンピオンシップで優勝したんです。

そして、UCLAの前任のコーチに、とあるジュニアトーナメントで会い、我がチームに来ないかと誘われ、また違う場所でチャレンジしてみたいと思って、喜んで引き受けることにしました。昨年はアシスタントコーチを務め、今年7月にヘッドコーチに就任しました。

UCLAのヘッドコーチとしてはホヤホヤなんですね。ところで、どうして、“レッスンプロ”ではなく、“コーチ”という職業を選んだのですか?
そうですね、いつも生徒の前に立って、スウィングを教えるということに全く興味が沸かなくて。それよりも、若くて有望なゴルファーと共に時間を過ごし、「より良い人間」になるための手助けをしたいと思ったんです。ゴルフの時だけでなく、オフの時間もちゃんと見守ってあげて、一人前の人間になるための“ライフコーチ”になろうと決めました。

なるほど、ゴルフを通して人生論まで教え伝えていくという教育ですね。素晴らしい。
ところで、チームは何名で構成されているのですか?
チームには10名まで所属できます。狭き門です。


試合はたしか5名1組で参加するのですよね。
そうです。でも、UCLAはとてもユニークなシステムがあり、ゴールドチームとブルーチームに分かれて、それぞれのスケジュールで試合に出ています。ゴールドチームは全国規模の大会、ブルーチームはローカルの大会を中心に参戦しています。

アジア系は何人いますか?
ダニアル・エムという選手がいましたが、3年生でやめてしまいました。今あと3名いますが、みんな韓国人です。

UCLAメンズチーム出身の有名なプロは誰ですか?
2004年にプロ転向したジョン・メリックが、2006年にネーションワイドツアーで一勝して、今PGAツアーに参戦しています。それから、やっぱり有名どころはコーリー・ペイビンです。スコット・マッキャロンもそうです。

チームの選手にとって、最も重要なことは何ですか。
スコアはもちろんですが、タイムマネージメントが出来るがとても重要です。なぜなら、ゴルフと勉強を両立することはすごく大変で、自己管理がきちんとできないと、簡単に置いて行かれてしまいます。それから、チームメイトと仲良くできるコミュニケーション能力も大切ですね

全国からその条件に見合ったジュニア選手を見つけることは至難の技ですね。
そうですね。それから私は、大学でゴルフのようにプロの世界が待っている活動をしている人は、大学を止めてプロに転向するのではなく、中退しない事が絶対だと思っています。教育があれば、万が一プロの世界で食べていけなかったとしても、他に手段が見つかります。チームメンバーにもとにかく卒業するまでがんばるよう伝えています。

確かに。文武両道の毎日はとても大変だと思いますが、卒業は大事ですね。
統計でも大学でゴルフをした人がゴルファーになる確率は1%と出ているんですよ。また、ゴルファーになったとしても、怪我をするかもしれないし、その後伸びないかも知れない。何があるかわかりませんから。大学を卒業する意思が最初からない選手には、UCLAは向いてないですね。


その1%の中の1%がトッププレーヤーなワケですからね。さて、選手は毎日どのようなスケジュールで動いているのですか?
彼らのスケジュールは、朝6時30分にゴルフコース集合、45分からお昼までラウンドや練習をします。ランチの後は、夕方5時までクラスで、5時15分から6時半までトレーニング。家に戻って食事をした後に、宿題をします。文武両道、タイムマネージメントをして、こなしていますよ。

とてもハードな毎日、体力も必要ですね。ところでどちらがホームコースですか?
コースで言えば、ベルエア・カントリークラブ、ロサンゼルス・カントリークラブ、リビエラ・カントリークラブ、TPCバレンシアですね。キャンパス内にも充実した練習施設がありますが、ベルエア・カントリークラブのグリーンキーパーが毎日メンテナンスをしてくれています。

なんと!有名なプライベートコースばかりですね。うらやましい限りです。昔からの伝統が今も残るどちらかといえばお硬いゴルフコースでも、カレッジゴルファーには開放するわけですね。
そうですね。最高の環境です。

そんな素晴らしい環境で、どういった練習をしているのでしょうか?
コースでは、18ホールをただ漠然と回るのではなく、個々の強化したい部分を集中的に練習します。例えば、アプローチを強化したい選手は、100ヤード以内で練習、バンカーを強化したい選手は、各ホールのバンカーから何打も打ちます。実際のコースでこういった練習を重ねることで、苦手意識のあるショットに対し自信を付けていくことができるのです。

なるほど。実践で弱点を拭う練習が出来るのはいいですね。ところで、コーチの醍醐味といったらなんですか
そうですね。「かもしれない」と思える瞬間がとても多いことです。勝てるかもしれない、優勝できるかもしれない、ここで一発イーグルパットがきまるかもしれない。選手が何をしでかしてくれるのか、可能性に対しワクワクすることがたまらなく楽しいですね。

逆に大変だなあと感じることはなんでしょう。
自分の時間をマネージすることかな。ヘッドコーチとしてしなくてはいけないことが山積みです。でも、選手は自分を頼っているし、よりよいプレーヤーになりたいと本気で思っているわけで、彼らのために集中して協力することが私の仕事の第一優先なので、それ以外の仕事との両立が大変ですね。

それから、4年間というのは長いようで短いんです。この間に彼らにしてあげられることは限られている。ゴルフのスキルアップだけでなく、将来社会に出たときにちゃんと自分の足で生きていけるように育てること、これが最も大きな課題ですね。

家族と過ごす時間はあるのですか?
ここはとにかく車社会だから、車にいる時間がもっと少なければ、もっと家族と一緒にいられるのにって思いますよ。家に帰ったら家族のことを考え、大学に来たら選手のことを考えるという風にして、家族との時間も大事にしています。時には、バレンシアにある自宅で、家族とチームと一緒にバーベキューなどしていますよ。

チームが一緒に過ごす時間が多いのでしょう。
そう、喜びも悲しみもチームで分かち合います。彼らは同じアパートに住んでいますし、とても仲がいいです。皆が同じ目標に向かって進んでいるわけだから、チームメイトに何かあればすぐに誰かが力となっています。

ところで、日本のゴルフ選手について、何か知っていることはありますか?
何人かPGAツアーで戦っているのは知っているけど、ジュニアゴルファーについては聞きませんね。とにかく韓国の選手が多くて、彼らは家族で移住していますよね。ゴルフだけではなく教育も目的のようです。

ジュニアトーナメントで日本人選手を見ることができないので、どうしてもチームに入れるかどうかの判断が出来ないのが難点ですね。韓国のケースがモデルになって、日本人選手も増えることを期待したいですね。

やはり、日本の戦績だけでは入部は厳しい?
そうですね、履歴書に日本で優勝した試合を列挙してあっても、実際に試合でのゴルフを見ないと決められません。

リクルートのためにAJGAの試合を見に行きますか?
とてもよく行きますよ。やっぱりあの完璧な組織がいいですね。試合会場が州外になっても、アメリカ全土、試合のやり方は皆一緒です。すべてのことが一貫して行われているので、見るほうとしてもとてもわかりやすいツアーです。レベルも高いし、コース選択もいい。

レベルは本当に高いですね。
たいてい、AJGAで良い成績を収めた選手は、大学でも良い成績を収めます。そして、大学で優秀な選手は、プロの世界にいってもトップにいます。

TEE UP Junior Challengeではお見かけしませんでしたが・・・。
あの時はジュニアゴルフキャンプがあって、行けませんでした。ところで、こちらから質問ですが、タイトルスポンサーになった目的はなんですか?

日本から招待選手をよんで、アメリカでの試合経験を積んで、グローバルな選手になってもらうことが目的で、スポンサーをはじめたんです。
それは素晴らしい試みですね。とても必要なことです。来年は行きます!

はい、ぜひ来てください。
ところで、コーチはこれからのプロツアーに何を期待していますか?またタイガーのようなつわものが登場すると思いますか?
30年前、ジャック・ニクラウスに匹敵するもしくはそれを越えるプレーヤーはいないと言われていましたが、タイガー・ウッズが登場しましたね。いつになるのかはわかりませんが、また彼らのような飛び抜けたプレーヤーが出てくるでしょうね。

どうやったらあんなプレーヤーになれるのでしょう。
彼らを目指すのであれば、人生そのものをゴルフ漬けにしないといけません。タイガーのように、衣食住、アクティビティ、家族、環境、すべてをゴルフ上達のために仕向けないといけません。やることなすこと全てがゴルフのためになります。

我々コーチは、タイガー・ウッズよりもいい選手を育てることが使命ですよ。タイガーを越えたいなら、タイガーがやってきたこと以上のことをしなければなりません。それがどれだけ大変なことか、わかるでしょう。

タイガーって、本質的に他の選手と違うと思うんです。一番違うところって何だとお考えですか?
他の選手と違うところは、「絶対に勝つ!」という意思の強さだと思います。この勝ちたいという意思が他の誰よりも強いのです。これは、練習して培えるものではない。人間の内側に秘めているものですね。

他の選手は、その違いに気がついているのでしょうか?
そう思いますね。やっぱりタイガーと一緒に回る選手は調子を崩しやすい気がします。彼の勝ちたいという強い意志がかもし出す、気迫に負けてしまうのでしょう。ギャラリーも、カメラマンも一番多くタイガーの組にいるわけで、一緒に回る選手はよほどの集中力がないと本来の力が発揮できないでしょうね。

さて、コーチが考える最も重要なクラブとは何ですか?
なんと言ってもパターです。いくらショットが良くても、パーオンしても、パターが入るか入らないかでスコアが大きく変わってきます。シングルプレーヤーになれば、1パットの重みに気がついているはずです。パターはしっかり習得しないといけませんね。



では、最後にチームとしてのゴールを教えてください。
私のチームの目標は、どの選手も毎日日増しに成長することです。試合に勝つことが目標なのは、当たり前でス。それよりも、週の初めより週末の方が良くなった、月初めより月末の方が良くなった、年始より年末の方が良くなったと、成長を自分で実感できること、これが一番重要です。すると、結果は後からついてきます。そして、私はコーチとして、選手の日々の成長を見守ってあげることが任務だと思っています。

UCLAのチームを影ながら応援しています。これからも素晴らしいゴルファーを育ててください。今日はありがとうございました。

 
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ポロシャツ&ゴルフタオル
締め切り:8月30日



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